2025/12/04
介護職「夜勤ワンオペはもう限界…」無理を続ける前に知るべき現実と、働き方を変えるための選択肢
介護職として働いていると、一度は耳にする、あるいは実際に経験する人も多いのが「夜勤ワンオペ(1人夜勤)」。
1人でユニットやフロア、あるいは施設全体の利用者をケアしなければならない勤務形態は、決して珍しいものではありません。
しかし、多くの介護職員が口をそろえるのは、
「夜勤ワンオペは、負担があまりにも大きい」
という現実です。
法的には違法ではない場合もありますが、身体的にも精神的にも大きな負担がのしかかり、事故や離職につながるケースが多く、深刻な問題となっています。
この記事では、介護職の夜勤ワンオペの現実・違法と判断される可能性・現場での対処法・そして“無理をしない働き方”を選ぶための方法を徹底解説します。
今まさに夜勤ワンオペで悩んでいる方、あるいは将来の働き方に不安を抱えている方にとって、解決のヒントになるはずです。
夜勤ワンオペとは何か?実態をあらためて整理
まずは定義から整理します。
夜勤ワンオペ(一人夜勤)とは、夜間における介護ケアを職員1人で行う勤務形態のこと。
担当内容は幅広く、次のような業務を継続的に行うことが一般的です。
・就寝介助
・定期的な見回り・安否確認
・排泄介助(トイレ誘導、おむつ交換など)
・ナースコール対応
・利用者の体調急変時の対応
・介護記録の作成
・翌朝の準備
・早朝の起床介助
これら全てを、たった1人で対応します。
利用者の人数や状態、夜勤体制により負担は大きく変わりますが、「要介護度が高い利用者が多い」「認知症の方の徘徊や不眠がある」「コールが鳴り止まない」といった状況では、非常に過酷な勤務になります。
夜勤ワンオペは違法ではないのか?
結論から言うと、配置基準を満たし、法定の休憩時間を確保できている場合、夜勤ワンオペ自体は違法ではありません。
しかし、合法であっても、それが安全で適切な業務形態とは限りません。
次のような場合は違法となる可能性があります。
● 休憩を法定どおり取得できない
● 安全配慮義務を果たせていない
● 明らかに過度な業務量を押し付けられている
● 労働時間が実質的に長時間拘束になっている
特に多いのが「休憩が取れない問題」。
休憩は労働基準法で保障されている権利であり、何があっても必ず取らなければならないものです。
しかし夜勤ワンオペでは、コール対応や見回りが途切れず、結果として休憩ゼロで働かざるを得ない状況が生まれやすくなります。
休憩が取れない状況が常態化している場合、それは労働基準法違反となる可能性があります。
ワンオペ夜勤が介護職員に与える影響
夜勤ワンオペの負担は、想像以上に大きいものです。
よくある影響を整理すると次の通りです。
・緊張状態が続き、眠れず体力が削られる
・焦りが生まれ、事故対応のリスクが増す
・精神的に追い込まれ、メンタル不調を訴える人も多い
・慢性的な睡眠不足で免疫力が低下
・勤務から回復せず、日勤業務にも支障が出る
・「何かあったら全部自分の責任」という重圧で心が限界に近づく
中には「倒れたら利用者が危険だから気が抜けない」「休憩したくてもできない」という声も多く、夜勤ワンオペは職員の健康と安全に大きな影響を与えます。
また、ワンオペ夜勤は離職理由として非常に多く、採用が定着しにくい職場の大きな特徴にもなっています。
夜勤ワンオペの職場での対処法(できる範囲で)
まずは大前提として、「理不尽に我慢し続ける必要はない」ということを強調しておきます。
その上で、今の職場で改善できる可能性がある行動を紹介します。
1)休憩時間の確保について相談する
→ 取れない状態が続いているなら早期に伝えるべき
2)インシデント・ヒヤリハットを記録し共有する
→ 業務量の不均衡や安全確保の課題を可視化できる
3)介護記録の効率化・分担の提案
→ 業務削減につながる可能性がある
4)支援ツールの導入を提案
→ 見守りセンサーや眠りSCANなどは負担軽減につながる
しかし、現実として「相談しても改善しない職場」も少なくありません。
むしろ改善を求めたことで評価を下げられたり、肩身の狭い思いをさせられるケースもあります。
この章のポイントは1つです。
「改善の声を上げても状況が変わらない職場なら、そこはあなたが守られる職場ではない」
本当は変えられる。“働く環境を選ぶ権利”
夜勤ワンオペを経験した介護職員の中には、
「どこも人手不足だから仕方ない」
「介護職ならワンオペは当然」
「夜勤ができないと言ったら職場に迷惑をかける」
という思い込みから、自分を犠牲にして働き続けてしまう人がいます。
しかし実際には、夜勤の働き方は職場によって大きく異なります。
・2人体制の夜勤
・看護師常駐の夜勤
・巡回専門スタッフがいる
・夜間は見守りセンサーを複数導入
・ユニット数ごとに職員を配置している
・夜勤の有無を選べる職場
このように、夜勤でも安全に働ける環境はたくさんあります。
そしてさらに言えば、ワンオペ夜勤のある職場に固執しなければいけない理由は、本来ありません。
利用者のために働きたい気持ちはとても素晴らしいですが、「自分が限界を超えて倒れること」ほど利用者に迷惑をかけることはありません。
安全に・無理なく・誇りを持って働ける環境を選ぶことは、あなた自身だけでなく、利用者の尊厳を守ることにもつながります。
夜勤ワンオペに限界を感じたら、選択肢は3つ
1)職場に改善を求める
2)配置体制の変わりやすい大手法人・新設施設へ転職する
3)夜勤なし・少なめの求人へ切り替える
夜勤を続けるかどうかは「向き・体質・家庭環境・健康状態」ですべて変わります。
どれが正解ということはなく、大切なのは自分に合った働き方を見つけること。
最近では、
・夜勤なしでも正社員
・夜勤は希望者のみ
・早番/遅番中心で収入を確保
・残業ほぼなしの介護施設
・離職率の低い会社
・産休・育休取得率の高い法人
など、働きやすさを重視した職場は増えています。
今の働き方がつらいのなら、あなたが変わるのではなく、職場を変えて良いのです。
良い職場に出会うためには、自力で探すより“情報力”が重要
求人サイトだけを見て転職すると、
「実は夜勤ワンオペだった」
「事前の説明と違った」
という失敗につながるケースもあります。
そこで役に立つのが、介護専門の転職エージェントの活用です。
・その施設がワンオペかどうか
・夜勤体制の人数
・離職率
・評判
・人間関係
・新人フォロー体制
こうした情報を事前に把握することで、ミスマッチを大幅に減らすことができます。
さらに、
・履歴書・職務経歴書の添削
・面接日程の調整
・給与・休日などの条件交渉
・入社後のフォロー
ここまで無料で受けられます。
「夜勤ワンオペの環境は避けたい」
「休憩をちゃんと取れる職場がいい」
「夜勤なしでも正社員で働きたい」
こういった希望を遠慮なく伝えることができ、条件に合う職場を紹介してもらえるため、
心身を守りながら転職活動を進められます。
最後に:あなたを守れるのは“あなたの決断”だけ
夜勤ワンオペで働き続けている人の多くは、真面目で、責任感が強く、人のために働ける優しい人です。
その優しさのせいで、無理を続けてしまうことも珍しくありません。
しかし、忘れないでほしいことがあります。
あなたの体も、人生も、キャリアも、誰かのために壊していいものではありません。
働き方は変えられます。
職場は選べます。
未来は選択できます。
「限界かもしれない…」
そう感じた今こそ、環境を見直すタイミングです。
夜勤ワンオペが無理なら、それはあなたの弱さではありません。
改善されるべきは職場の体制です。
自分を責めるのではなく、自分を守る選択をしてください。
その第一歩として、働きやすい職場の情報を知ることから始めるのが最も確実です。
介護職として、ずっと誇りを持って働ける未来を選びましょう。
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