2025/10/02
【徹底比較】介護医療院と療養型病院の違いとは?選び方・特徴をわかりやすく解説
高齢化社会が進む日本では、「長期的な医療ケアが必要な方」を支える施設選びがますます重要になっています。
特に「介護医療院」と「療養型病院(医療療養型病床を持つ病院)」は、どちらも長期療養を必要とする方が利用するため混同されやすい施設です。
しかし、実際には 利用できる人の条件・サービスの内容・費用・生活の質(QOL)の重視度 が大きく異なります。
この記事では、介護資格を持つ方や介護職に転職を考えている方に向けて、現場でも役立つように「介護医療院と療養型病院の違い」を徹底的に解説していきます。
施設で働くうえで知っておきたい「どんな入所者がいるのか」「どんなケアが求められるのか」まで詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
介護医療院とは?
介護医療院は2018年に制度化された、比較的新しい介護保険施設です。
もともとあった「介護療養型医療施設」が2024年3月に完全廃止されたため、その受け皿として誕生しました。
対象者
-
65歳以上で要介護1以上の認定を受けている高齢者
-
40〜64歳でも「特定疾病」によって要介護認定を受けた方
特徴
-
医療と介護の両方を提供
-
「生活の場」として、食事・掃除・洗濯などの日常支援あり
-
終末期ケア(看取り)にも対応
-
個室やユニット型などプライバシーに配慮した居住空間
提供サービス
-
医師・看護師による医療ケア(点滴・喀痰吸引・経管栄養など)
-
介護スタッフによる入浴介助・排泄介助・食事介助
-
理学療法士などによるリハビリ
-
レクリエーションや日常生活の支援
つまり介護医療院は、「医療ニーズが高いけれど、家庭的な生活も保障される施設」と言えます。
療養型病院(医療療養型病床)とは?
療養型病院とは「病状が慢性期に入り、急性期病院での治療を終えた後も医療的な管理が必要な患者」が長期入院する病院のことです。
対象者
-
年齢制限なし(小児から高齢者まで)
-
医療保険が適用される
-
病状は安定しているが、引き続き医療管理やリハビリが必要な方
特徴
-
医療的ケアが中心(医療区分2・3が優先)
-
半年以上の入院も珍しくない
-
食堂・浴室・談話室など長期入院を支える設備あり
-
生活支援は「入院生活に必要な範囲」に限定
提供サービス
-
医師の診察や投薬管理
-
看護師による医療処置
-
リハビリテーション
-
食事提供(ただし生活支援は最小限)
つまり療養型病院は「医療を中心とした長期療養施設」といえます。
介護医療院と療養型病院の違いを徹底比較
項目 | 介護医療院 | 療養型病院 |
---|---|---|
保険制度 | 介護保険 | 医療保険 |
対象者 | 要介護認定を受けた高齢者 | 年齢制限なし(小児も可) |
主な目的 | 生活の場+医療ケア | 医療中心の長期療養 |
提供サービス | 医療・介護・生活支援・看取り | 医療中心、生活支援は最小限 |
入所環境 | 個室・ユニット型あり、家庭的 | 病院らしい環境 |
看取り対応 | あり | 医療的対応は可能だが生活支援少なめ |
この表を見ると、介護医療院は「生活と医療の両立」を重視し、療養型病院は「医療の継続」を重視していることがわかります。
費用の違い
利用者や家族にとって大きな関心事が「費用」です。
-
介護医療院:介護保険の自己負担割合(1〜3割)+居住費・食費
-
療養型病院:医療保険の自己負担(年齢や所得に応じて1〜3割)+食費・居住費
一般的には、療養型病院の方が医療度が高くなる分、医療費がかさみやすい傾向にあります。
一方で介護医療院は生活費の部分が大きいため、「施設で暮らす」というイメージが強いです。
働く立場から見た違い(介護職員・看護師向け)
介護職や看護師として転職を考えている方にとって、「どちらで働くか」は大きな選択です。
介護医療院で働く場合
-
生活支援や介護が中心
-
医療ケアも必要(吸引・経管栄養など)
-
入所者と長く関わり、看取りに携わることも多い
-
家庭的な雰囲気の中でのケア
療養型病院で働く場合
-
医療処置が中心(点滴・褥瘡管理など)
-
介護よりも医療度の高い患者対応が多い
-
チーム医療の一員として病院らしい勤務スタイル
-
急変対応の可能性もあり
介護資格者にとっては「生活支援を重視するなら介護医療院」「医療度が高い現場経験を積みたいなら療養型病院」が目安になります。
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施設選びで失敗しないためのチェックポイント
家族が入る施設を探す際、または転職先を探す際に確認したいのは次のポイントです。
本人の医療ニーズはどれくらいか?
医療行為が多いなら療養型病院
生活も大事にしたいなら介護医療院
どんな生活を送りたいか?
病院らしい管理下で安心 → 療養型病院
家庭的で暮らしを重視 → 介護医療院
費用面はどうか?
医療保険と介護保険で自己負担の仕組みが違う
家族の経済状況も考慮
まとめ
介護医療院と療養型病院は一見似ているようで、実際には大きな違いがあります。
-
介護医療院:介護保険を使い、生活支援と医療を両立する「生活の場」
-
療養型病院:医療保険を使い、医療中心の「病院」
どちらが良い・悪いではなく、「本人や家族がどんな生活を望むのか」で選ぶことが大切です。
そして介護職にとっても、どちらで働くかによって求められるスキルや経験が大きく変わります。
もし転職を考えているなら、複数の施設を比較し、自分に合う職場を探すのがおすすめです。
次のステップ
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