2025/09/05
介護職は体調不良で休んだら無給?知らなきゃ損する傷病手当の仕組み
介護の現場で働いていると、腰痛や体調不良、さらにはインフルエンザやコロナといった感染症で仕事を休まざるを得ないことがあります。
しかし実際には、
「体調不良で休んだら給料が出なかった」
「会社から傷病手当について説明してもらえなかった」
という声も多く聞かれます。
本来、私たちには 「傷病手当金」 という制度があり、健康保険に加入していれば、正社員だけでなくパートや契約社員でも受け取れるのです。
この記事では、介護職の方に向けて、傷病手当の仕組みや申請の流れ、注意点をわかりやすく解説します。
さらに、制度を利用しても不安が残るときの解決策や「働きやすい職場探し」についても触れていきます。
介護職に多い「体調不良で休めない」現実
介護職は体力的・精神的にハードな仕事です。
利用者さんを抱えたり支えたりする中で、慢性的な腰痛や関節の痛みを抱える人も少なくありません。
また、シフト勤務のため生活リズムが乱れやすく、免疫力が落ちて風邪や感染症にかかりやすい傾向もあります。
ところが現場では、
-
「1人休むとシフトが回らない」
-
「休んだら同僚に迷惑がかかる」
-
「有給を取れる雰囲気がない」
こうした理由から無理して出勤してしまうケースが後を絶ちません。
結果的に病気が悪化したり、心身の限界を迎えて退職につながってしまうことも…。
しかし本来、体調不良で仕事を休むのは 労働者の権利。健康を守るために設けられた制度を正しく使うことが大切です。
傷病手当金とは?介護職でも受け取れる生活保障
傷病手当金とは
傷病手当金は、健康保険に加入している人が 業務外の病気やケガで仕事を休み、給与が支払われないときに生活を支える制度 です。
つまり、介護職の方がインフルエンザや腰痛、うつ病などで働けなくなった場合でも、一定の条件を満たせば申請して受給できます。
支給額
傷病手当金の支給額は、直近12ヶ月の平均給与(標準報酬日額)のおよそ 3分の2。
例えば、月収24万円の場合、約16万円程度が支給されます。
支給開始日
休んだ日からすぐに支給されるわけではなく、連続した3日間の待機期間を経て4日目から支給 されます。
この3日間は有給休暇などを組み合わせてしのぐ人が多いです。
第3章:傷病手当金を受け取るための条件
受給には以下の条件を満たす必要があります。
-
病気やケガで仕事ができないこと
-
連続して4日以上休んでいること
-
給料が支払われていないこと(一部だけ支給なら差額が出る)
-
健康保険に加入していること(パート・契約社員でも可)
介護職の具体例
-
腰痛で1週間休んだ場合 → 4日目から支給対象
-
インフルエンザで5日間休んだ場合 → 待機3日を除き、残り2日分支給
-
精神的ストレスで1ヶ月休養 → 医師の診断書があれば対象
会社が傷病手当を教えてくれない理由
残念ながら、現場では「会社から説明されなかった」「申請を嫌がられた」という声もあります。
その背景には…
-
制度に対する理解不足
-
事務手続きが煩雑で面倒
-
「長く休まれると困る」という経営側の心理
しかし、傷病手当金は会社のお金ではなく 健康保険から支払われる制度。
会社が拒否する権利はありません。
もし協力してもらえない場合は、健康保険組合に直接相談 することも可能です。
傷病手当金のデメリットも理解しておこう
傷病手当金は非常にありがたい制度ですが、いくつか制限もあります。
-
支給期間は最長1年6ヶ月まで
-
受給中は失業保険を受けられない
-
アルバイトや副業は原則禁止(不正受給になる可能性)
-
業務上のケガ・病気(労災)は対象外(労災保険を使う)
特に「副業してバレた」というケースは最悪の場合 詐欺罪 に問われることもあるので注意が必要です。
申請の流れと必要書類
申請には以下の書類が必要です。
-
傷病手当金支給申請書(健康保険組合に提出)
-
医師の意見書(診断書では代用不可)
-
会社の証明(給与の支給状況など)
ポイント
-
医師には「働けない状態であること」をきちんと記載してもらう
-
会社から協力が得られない場合は、健保に相談する
よくある質問(Q&A)
Q1:パートでも受け取れる?
→ 健康保険に入っていれば可能。扶養内だと対象外のケースもあるので確認を。
Q2:過去に受給したことがあるけど、また使える?
→ 別の病気やケガなら再度申請可能。
Q3:うつ病など精神的な理由でも申請できる?
→ 医師が「就労不可」と診断すれば対象になる。
それでも不安が残るなら「転職」も選択肢
傷病手当金は一時的に収入を保障してくれますが、根本的に「無理して働かないといけない職場環境」が変わらなければ、また同じことが繰り返されます。
-
人手不足で休みにくい
-
上司が制度の存在を知らない
-
有給すら取りづらい
こうした職場では、いくら制度を知っていても安心して働けません。
だからこそ「休みやすい環境が整った職場」に移ることが長期的な解決につながります。
健康的に働ける介護施設を見つけるポイント
-
スタッフの人数に余裕がある(1人休んでも回る体制)
-
有給取得率や傷病手当の実績がある
-
腰痛予防のためのリフトや介護ロボットを導入している
-
夜勤や残業の負担が少ないシフト
こうした環境が整った職場を選ぶことで、長く安心して介護職を続けられます。
まとめ
介護職は体調不良で休みづらい仕事ですが、 「傷病手当金」 という制度を知っているかどうかで生活の安心度は大きく変わります。
-
条件を満たせば正社員・パート問わず受給できる
-
支給額は給与の3分の2
-
会社が嫌がっても健康保険組合に直接申請できる
ただし、制度を使っても「休みにくい」「無理を強いられる」職場では根本的な解決になりません。
もし今の職場に不安を感じているなら、「転職」 という選択肢も前向きに検討してみてください。
「リニューケア」では、介護資格を持つあなたが 安心して長く働ける職場探し をサポートします。
制度がしっかりしている施設や、働きやすい環境の求人も多数掲載中です。
今すぐ「リニューケア」に登録して、あなたに合った働き方を見つけてみませんか?
➔【リニューケアに登録する】
スタッフコラムのおすすめ記事
-
2025/05/21
【保存版】転職すべき?現職にとどまるべき?介護職が「迷い」から抜け出すための完全ガイド
-
2025/06/04
直接応募 vs 転職エージェント:介護職の採用率が高いのはどっち?成功する転職活動の選び方
-
2025/05/20
【完全保存版】内定率90%超え!?介護職の面接で“選ばれる人”の共通点とは?
-
2025/09/05
経験者でも不安?介護職が独り立ちするまでの流れと早く慣れるコツ